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Shape of my Heart

昔くじらさんに捧げて自サイトでも掲載するつもりだった短編です(つまりいつものごとく忘れてた)
どうぞ~(めずらしく明るい話だったりするw)


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Shape of my Heart

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ヴィヴィオが学校に通い始めてもうすぐ最初の夏休み

「フェイトちゃん。ヴィヴィオが夏休みに入ったら、
海鳴市に連れて行こうと思うんだ。お母さん達にヴィヴィオを
一度は会わせなきゃと思って」

朝食の席で私は横に座るヴィヴィオを見ながら、フェイトちゃんにそう告げた

「そうだね。一回会わせてあげないとね。桃子さん達にとっては
ヴィヴィオは孫だもんね」

食パンを片手に新聞に目を通していたフェイトちゃんが同意してくれる

でも

「こら、フェイトちゃん。新聞はご飯食べ終わってからにしてね」

ひょいっと新聞を取り上げる

「フェイトママ。メッ。だよ」

ヴィヴィオも真似してフェイトちゃんを叱る

「あ、ごめんね。ちょっと気になる記事があったから」

私はヴィヴィオの口の端についたジャムを拭きながら首を傾げる

「気になる記事?」
「うん。ミッド中から集められた『スーパーカー』の展示会があるんだ」

そう言うと子供みたいに目をキラキラさせた

そうなんだんだよね。フェイトちゃんっって車が、
それもスポーツカータイプが好きなんだよね。今の車買って見せてくれた時も実は一瞬
『こういうのが好きなんだ・・・』って密かに吃驚した記憶がある

「その展示会、見に行けるといいね。で、ね。話を戻すけど。どうする?
フェイトちゃんも一緒に来る?」

フェイトちゃんはもぐもぐごくりとパンを飲み込んで

「うん。行く」
「え?そんなあっさり決めていいの?お仕事は?」
「何も執務官は私だけじゃないし。近頃は休み無しで働いてたから
たまにはいいんじゃないかな」

フェイトちゃんにしてはやけにあっさりと決めたなと思いながらも
なんだかんだいって一緒に行けるのは嬉しい

「ヴィヴィオ、夏休みに入ったら少し遠くにお出かけするよ~」
「遠くに?」
「そうだよ。ヴィヴィオ。ヴィヴィオにとっては初めての旅行ってことになるかな?」
「リョコウ?」

私達の顔を交互に見ながらヴィヴィオはきょとんとしていた

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「この子が電話で言っていた『ヴィヴィオ』か」

お父さんは顎に手を当て、しげしげとヴィヴィオを上から下まで眺めている

「あらあら可愛いわ。ヴィヴィオちゃん両目の色が違うのね。綺麗な色ね」

お母さんはその頭を撫でてくれている

そんな二人の間に挟まれヴィヴィオはニコニコしていた


なんだか思ったよりも二人とも普通の反応だ
もっと大騒ぎされると思った。怒られるかもしれない
場合によっては勘当されるかもしれないと覚悟を決めて来たのに
だから肩透かしを食らった気分

「よっと」

突然お父さんがヴィヴィオを抱き上げた

「うわっ、軽いなヴィヴィオ。なのはお前ちゃんとご飯食べさせてあげてるのか?」
「食べさせてるに決まってるじゃない!」
「でもお前が同じ年頃だった時はもっと重かったぞ」
「お父さん・・・何気に失礼だね・・・」

でもよかった

お父さんも、お母さんもヴィヴィオのこと受け入れてくれた
ふっ、と気がつくとフェイトちゃんが私達の様子を微笑ましそうに見ていた

側に寄り笑顔を向ける

「フェイトちゃん」
「よかったね。なのは」

家族に会わせる事を不安に思っているということは
ヴィヴィオを引き取ると決めた時にフェイトちゃんに告げていた

「お父さんもお母さんも孫が出来て嬉しいのかな」
「そうかもね」

私はほっと胸を撫で下ろした

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誰が一緒にヴィヴィオとお風呂に入るかで家族が揉めて
結局じゃんけんでお父さんが勝った

「父の威厳だ」

と訳の分からないことを言いながら手を繋いでヴィヴィオを連れて行った

その間私はリビングで久しぶりにお母さんと二人きりでお話しをする

フェイトちゃんは今日はうちに一緒にお泊り。
先に部屋に行って明日会う予定のアリサちゃんやすずかちゃんに
持って来たお土産を色々と整理している

「お父さんすっかりヴィヴィオちゃんのこと気に入ったみたいね」
「そうだね。凄く安心したよ」

お母さんはお茶を一口啜って

「これもフェイトちゃんのお陰ね」

と、言った。私は飲もうとして口に運びかけたお茶の手を止める

「フェイトちゃんがなのはとヴィヴィオちゃんの事報告してくれたから」
「フェイトちゃんが?私とヴィヴィオの事を?」

そんなの初耳だ

「何?なのは知らなかったの?」

私は眉をひそめながらコクリと頷く

「そう。フェイトちゃんらしいわね。お父さんも私もなのはから
初めて5歳の子を養子にするって聞いた時は驚いたわよ。
特にお父さんとお兄ちゃんは大騒ぎ」

つまりはやっぱり私が予想していた通りの事がここで起きてたわけだ

「私もね、二十歳やそこらの女の子が突然5歳の子を養子にするだなんて
考えられないって思ったの。しかも私達に相談も無く、何考えてるんだって。」

私は首を竦めた

「でもそんな時ね、フェイトちゃんが連絡をくれて
『なのはには私がついてますから』って。『二人の事は私が必ず守りますから』って」
「フェイトちゃんが・・・そんな事言ったの?」

そうよ~と、お母さんは悪戯っぽく笑う

「それからは何かある度に連絡をくれて。今日はヴィヴィオの入学式だったとか
初めてのテストでクラスで一番になったんですとか、そんな事聞いてたら
いつの間にかフェイトちゃんからの報告が楽しみになっていて、
いつの間にかヴィヴィオちゃんの事なのはの本当の子供だと思うようになったの」

私はガタリと立ち上がる

「ごめん。ちょっと行ってくる」
「はいはい。フェイトちゃんにきちんとお礼言うのよ」

お母さんがひらひらと手を振った

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私が部屋に入るとフェイトちゃんは

「ねぇなのは。アリサこの怒った顔の人形がお土産って言ったら
絶対人形と同じ顔で怒ると思うんだけど。本当にいいの?」

と、半分笑って半分すまなそうな顔で言った

私はもう我慢の限界で

「フェイト・・・ちゃん!」

勢いよく飛びついた

「え?うわっ、ど、どうしたのなのは」

首に腕を巻きつけその膝の上に乗るような形になってしがみ付く

「桃子さんか士郎さんに何か言われた?」

心配そうな声と共にゆっくりと背中を撫でられる
私はゆるゆると頭を振る

「心配しなくても大丈夫だよ。皆ヴィヴィオのこと好きになってくれたよ」

もしかしたら一緒に帰って来てくれたのも
私達の事が心配だったからかもしれない

「フェイトちゃん・・・」
「ん?」
「大好き」

いつもありがとう
側にいてくれて

本当にありがとう

くすくすと笑い声が聞こえる

「どうしたの、なのは。ヴィヴィオみたいだよ」
「フェイトちゃん大好き」

フェイトちゃんの腕も私の体に回される

「私も大好きだよなのは」

暫くそのまま抱き合っていると、トテトテと音がして

「ママーお風呂出たー。あー、二人だけずるーい」
「ふふ。ヴィヴィオもおいで」

片手はフェイトちゃんの首に巻きつけたまま、もう片方の手を伸ばす

勢いよくヴィヴィオが私とフェイトちゃんの間に飛び込んできた

「ママ。ヴィヴィオ『りょこう』大好き」
「そっか」
「あとね、お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃんも好き」
「うん」
「なのは、ヴィヴィオ。フェイトママ足痺れたよ」
フェイトちゃんの膝の上には私とヴィヴィオが乗っている
流石にこれでは足も痺れるか・・・それじゃあ

「えいっ」
「えぇええええ」
「きゃーー」

そのまま三人で後ろに倒れ込んだ
フェイトちゃんは私達を両腕に抱えている
今度は両腕が痺れるかもしれないね

「もー、なのはびっくりさせないでよ~」

フェイトちゃんから抗議の声、それでもその声は楽しそうで

「ヴィヴィオ、これからもたくさん色々な所に三人で旅行に行こうね」

私はその温かい腕に頭を預けてヴィヴィオに言った


ヴィヴィオとフェイトちゃんと私は
これから手を繋いで歩いていく


きっと、ずっと



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