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風化風葬


更新
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風化風葬-3-

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コンビニでさっき買ったアイスはもう溶けてしまっただろう
又買いなおしに行かないと・・・

そんなどうでもいいことが頭の中をよぎった

それにしても人の体温は安心する

誰かに抱きしめてもらうなんてどの位ぶりだろう
あぁ、そういえば病院のベットで目を醒ました時
なのはが泣きながら抱きしめてくれた

そっと

なのはは元気かな?


「あんた達一体なんなんだよ!」

お姉さんが叫んでる

「折角だから遊ぼうよ」

誰か知らない人の声

「いいからどっかに行け!」

又、お姉さんの声

「じゃあ、そっちの外人だけでもいいよ」

又、誰か知らない人の声
それから、近づく足音


「この子に触んな!!!!」


それでも伸びてきた手に反射的に身を起こし、払いのける

「なんだぁ?」

とても不快な感じの人達
私は立ち上がる。視界が少しぶれてはいるが、気にする程でも無い

「フェイト!駄目だよ!!」

誰かに心配されるのもたまには悪くない。でも

「大丈夫ですよ。心配しないで」

弱い人は守らなくちゃ
少なくてもこのお姉さんはこの人達より弱い


そして、少なくとも私はこの人達より強い


「外人の方先に拉致れ!!」

前に、出る。動く

背中が、熱い


「ぐっつ」
「がはっ」
「なんだ!?」


人の体に拳を入れていく感触は好きじゃない
いつになっても慣れない、だからなるべく骨への損傷は回避する
今の私にはその位が精一杯だ

ごめんね

でも、少しは痛い目も見ないとね

君達は私達に何をしようとした?
今まで誰に何をして来た?

手馴れてるね、うまく逃れて来たんだね。

罪から


私と一緒だね


ここでは私に君達を逮捕する権限は無いから、魔法だって使えないし
だから、


暴力を

振るうよ



綺麗事だけじゃこの世の中は渡っていけないからね
祈ることすら届かない程


『愛してる。愛してるからね』


「フェイト!後ろ!」


呼ばれた名前と共に、後ろから殺気を感じて反射的に振り返った時、
肩と背中に激痛が走る

「う、つっ」

一瞬集中の糸が切れた。次の瞬間
今度は体中をバリバリという音と共に激しい痛みが襲う

「うぁぁあああ!!!」
「フェイト!!!!!!」

膝が折れそうになるのを、壁に寄りかかることでなんとか耐えた
が、膝が震えて、ゼェゼェと喉の奥から息が漏れる

「卑怯・・・だね・・・」

目の前の男はそれを手に殊勝に笑っている
お姉さんも口を押さえられ、羽交い絞めにされていた

目を瞑る


酷いものだ

本当に


愛も希望も夢も何もあったものじゃない
怒りも、悲しみも感じない。ただ、空虚な気持ちになった

ポケットに手をやる。そこにある確かな感触
今、その姿になれば大分体に負担がかかるけど仕様が無い

それよりも

「皆に怒られるかな?」

ここに来る時、無理はしないと約束したのに
ここでなら誰かと戦うことも無いからと

でも、自分を庇って誰かを守れないなんて嫌だ

「バルディ」
「何、してるの?」

静かな声が響いた

幻聴かと思った

ゆっくりと首を向ける


「なの・・・は?」


ここにいる筈の無い人がいた

「その手に持ってるのは何?もしかして、スタンガンとかいうものかな?」

男達は突然現れた人物に対して押し黙っている

「フェイトちゃん。安静にしていなきゃいけないのにどうしたのかな?」

よく見るとなのはは全身ずぶ濡れになっていた
きっと私がいなくなったと聞いて、傘も射さないで飛び出したのだろう
それだけでも悪い事をしてしまったと申し訳なく思った

「それに今、バルデッシュ呼ぼうとしたでしょ・・・何、考えてるの?
そんなことしたらどうなるか分かってるの?」

動かないなのはに向かって、スタンガンを持った男が突進した
私からは男の後ろ姿しか見えない。が、すぐさま男の腕が捻り上げられた
くぐもった呻き声が聞こえた

「これ、フェイトちゃんに使ったの?」

今まで聞いたことのない程の冷たい声
そして更に捻り上げられる腕

「そっちの人も離して。本当は一人残らず警察に引き渡したいけど、
一刻も早くその人連れて帰りたいから」

そして乱暴に掴んでいた腕を前へと突き飛ばした


「早くして!!」


なのはがこんなに声を荒げるなんて珍しい。それは悲鳴にも聞こえた。
朦朧とする頭で、そんな事を考えた

ザッと男達が車の中に乗り込み急発進をさせて車はいなくなった

私はその場にずるずると座り込んだ

「フェイト!!」

お姉さんが駆け寄って来て抱きつかれる

「ごめんフェイト。あたしの所為でごめん」
「お姉さんの所為じゃ無いです。私の方こそごめんなさい。
ちゃんと助けられなくて」

笑って欲しいと願ったのに、お姉さんは泣いてばかりで
私の願いは中々叶わない。一人の人を笑わせることも出来ないなんて

無力だね

「フェイトちゃん。帰ろう」

見上げた先にはなのはがいた

「その人はクロノくんに連絡して送ってもらうから」
「いいよ自分で帰れるから」
「でも・・・」

もう、意識が朦朧として何がなんだか分からなかった


「フェイトちゃん。死にたいの?」


雨が降ってる
体が熱い
世界は廻っている
なのはが怒っている



暗転









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