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風化風葬-1-

前に書いたのに大幅修正。

EDENⅡの最終話も変えてます。それを見破ったkenkenさん!
・・・嬉しかったですw(テヘテヘ

ではでは続きより。中篇です。
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風化風葬

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「フェイトさん!!来ます!!」

叫び声と同時に光の束がこちらへと向かって来た

「私の後ろにまわってシールド展開!!」

自身も左手をかざし、シールドを展開させる
ドンッという衝撃と共に体が押される感覚

でも、

ただそれだけ

右手でバルデッシュを掲げる
短い詠唱、次いで響く雷鳴

広域魔法は私の得意とする分野だ

轟音と共に、稲妻が大地に落とされる


無機質な機械相手なら、どんなに数が多くとも一瞬で終わらせられる
これで長かった今回の航海は終わらせられる





だった


「フェイトさん!!!!」


自分の名前を呼ぶ悲鳴が、聞こえた

咄嗟に振り返る

一体のガジェットが火花を散らしながら隊員の方へ
もの凄いスピードで落下している

新人隊員なのか、シールドの展開もおぼついていない

「っつ!!」


考えるより先に、体が動いた


隊員を抱え込む

次いで背中に焼けるような衝撃と爆発音


「うぁあああああああ!!!!!」


『愛してる。って』


「フェイトさん!!!!!!!」


『祈りの言葉に似てる』


誰かの、声が聞こえた



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ヴィヴィオがぎゅうっと、ソファに座るなのはに抱きついた

「ママ、おやすみなさい」
「はい。おやすみなさい。愛してるよヴィヴィオ」

それからヴィヴィオは隣に座る私にも、両手を広げる
私は笑いながらその小さな体を腕の中へと閉じ込めた

「フェイトママもおやすみなさい」
「うん。おやすみ。ヴィヴィオ愛してる」

それから寝室へと向かうヴィヴィオの背中を見送った

「ヴィヴィオ一人で寝られるようになって偉いね」
「うん。私達が寝る前にも仕事するのちゃんと分かってくれてるから」

そういうと、なのははくすくすと笑った

「何?どうしたの?」
「なんだかくすっぐたいなって。『愛してる』って」

私はリモコンに手を伸ばし、観てもいないテレビのスイッチを切った
部屋に静寂が訪れる

「なんか不思議な言葉だね。『愛してる』って」

そう言うとなのはは手を組んで目を閉じた

「なんだか祈りの言葉みたい」
「祈り?」
「うん。愛してるから笑っていて下さい。
愛してるから健やかに育って下さい。『愛してる』から『愛してる』から」
「本当だ。祈ってるみたいだ」

私も手を組んで目を閉じてみる

私の手はいつも少し冷たい
なのはの手はいつも少し温かい

「ねぇ、なのは」
「ん?」



「私のことは愛してる?」



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「フェイトさん!!フェイトさん!!」

どうしてだろう。うまく息が出来ない
背中が焼けるように熱い

「救護班早く!!貴方は早くフェイトさんから離れて!!」

あぁ、そうか。そういえばさっき飛び込んだんだっけ
ちょっと油断したみたいだ

覆いかぶさっている隊員に、でも、君は無事でよかったと

泣かないで大丈夫だと言いたいんだけど、うまく言葉に出来ない
その涙を拭ってやりたいんだけど、うまく体が動かせない
ちょっと、まずいな。なのはに怒られるかな?
そういえば


『私のことは愛してる?』


そうだ。なのはに聞いてみたんだ
祈りにも似てる言葉なら

私の為にも祈ってくれるのか知りたくて
私の為にも祈って欲しくて

どうしてだろう
どうしてなのはに祈って欲しかったんだろう


「酸素マスク急いで!!艦での輸血準備の手配は?!」


それでなのははなんて言ったんだっけ?

確か、何も言わなかったような気がする
あの時は少しさみしかったな


『皆、皆笑ってるといいね!』





『一番笑ってて欲しい人は』


声が聞こえた


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雪が降っている。一面が真っ白だ
夜なのに外が明るい

「フェイトちゃん。明日は積もるかなぁ」

窓の外を部屋の中から覗いていた私の横になのはが並び
手でキュ、と窓の曇りを拭った

「このままだと積もりそうだね」
「うん。うん。そしたら学校で雪ダルマ作ろうか?それとも雪合戦する?
アリサちゃんきっとフェイトちゃんと勝負したがるよ?」

無邪気に笑うその横顔を見て、私も嬉しくなる

「ちょっと外に出てみようか?」
「これから?外寒いよ?」
「大丈夫。バリアジャケットあったかいから」
「飛ぶの?」

ガラリと窓を開けてなのはが身を乗り出す

「レイジングハート」
「な、なのは駄目だよ!」
「大丈夫」

私は一つ溜息を付くけど

「バルディシュ」

直ぐに後に続いた


手を繋いで、雪の降る明るい夜空を飛ぶ

「フェイトちゃんの手冷たいね」
「なのはの手は温かいよ」

下は街の灯りでキラキラ光っていた

「ねぇフェイトちゃんこの街の人たち!皆、皆笑ってるといいね!」

なのはらしい言葉

「そうだね」

私も頷く

「でもね、一番笑ってて欲しい人はフェイトちゃんだよ!!」
「私?」
「うん。そう!」

どうして?と聞いてみようかと思ったけど止めておいた
だって

「私もね。なのはに一番笑ってて欲しいな」
「え?何?聞こえなかったよ」

私は返事をする代わりに握った手に力を込めた
私の手も温かくなった気がした


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「バイタルのチェック!!輸血パックはまだなの!!」
「血圧低下中!!脈拍数減少!!」


なのは


手は、『心』に似てるね


温かくなったり
冷たくなったり
触れられると嬉しくて
離れてしまうと寂しい


手を繋ごう
そしたらきっと笑っていられるから


「もう、駄目です!!!!」
「諦めないで!!!!!」


手を繋いで
私の為に祈って
だって祈りは『愛してる』ってことなんだよ







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「なのはママ。どうして目ぇ閉じてるの?」

目を空けると、ヴィヴィオが不思議そうに私を見ていた

「お祈りしてるの」
「お祈り?」

私はヴィヴィオの頭を一つ撫でる

「そう。神様にお願いしてるの」
「神様?神様って本当にいるの?」

私は微笑む

「いると思えばいるし。いないと思えばいないんだと思う」

首を傾げるヴィヴィオ

「まだヴィヴィオには早かったかな?」
「うーん」

一生懸命考えてるヴィヴィオが愛おしくて抱きしめる

「ヴィヴィオも一緒にお願いしてくれる?」
「何を~?」
「フェイトちゃんが明日ちゃんと帰って来ますようにって」
「フェイトママ明日帰って来るの!」

腕の中でヴィヴィオが嬉しそうにはしゃいだ

「ヴィヴィオ、フェイトママのこと『あいしてる』!!」
「ママもだよ。ママもフェイトママの事」

誰よりも、誰よりも
ヴィヴィオと同じ位


「愛してるよ」


本人の前では恥ずかしくて言えなかったけど、
明日フェイトちゃんが帰って来たら言おう

そしたら笑ってくれるかな?

次のお休みには三人で手を繋いでおでかけしようよ


早く帰って来てね。待ってるよ


フェイトちゃん






きっと大丈夫。明日はきっと三人で笑ってるから







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