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EDENⅡ-23-


EDENⅡ-23-


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EDENⅡ-23-

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あの後管理局の人達が来て、研究所の人達は逮捕された
あそこにいた大勢の子供達も無事に保護された

一度包帯の子に会いに行ったけど、まだ検査中だとかで会えなかった
今度又、会いに行ってみようと思う

完全に事件が終わるのはまだまだ先なんだそうだ
あそこまで悪質なのは滅多にないけど、
それでも数多くの非合法の研究所が存在するって管理局の人が言ってた

それらとこれからも戦っていくんだ君の、
ママ達みたいに

って


そして、フェイトママが戻って来た
でもそんな喜びも束の間、ママは現場での過剰な行動ぶりに
局の上の人達の何人かから批判を受けて、
一週間の謹慎処分。色々な人たちがかばってくれたけど、
結局ママが『甘んじて受け入れます』って言った

フェイトママはあの後、詳しい精密検査をされて
特に異常も発見されなかったけど、大事を取ってこれまた一週間、
家で療養しながら様子を見るようにと言われた

二人共仕事大好き人間なのでさぞやがっかりしていると思ったら・・

ちらりと目の前のソファに座るママを見ると、鼻歌なんて歌いながら
旅行雑誌を読んでいる

フェイトママはと、いうと

「ねぇ、なのは。なんか私体重増えたんだけど、なんでだろ?
あっ!もしかしてアリシアお菓子とかたくさん食べてなかった?」

なんて、バスルームから泣きそうな声が聞こえてきた
そういえばアリシア、チョコレート好きだったなぁ
ついつい甘やかしてあげちゃってたかも

なんて私も能天気なことを考える

本当にあの怒涛の日々が嘘みたいだ

「ヴィヴィオ。荷物の用意は出来たの?」

ママが雑誌から顔をあげてボーっとしてた私に声をかける

「うん。一応は詰め終わったよ」
「歯ブラシは?」
「ちゃんと入れたよ」

そういうとママは満足そうに頷いて又視線を雑誌に戻した

明日から私達は三人で海鳴市に行く
ママが決めた。一人で留守番もなんだからと、学校もお休みさせられた
ママは謹慎中なのによいのだろうかと思わなくもないけど、
こんなに嬉しそうだからまぁいいや。と思うことにした

ここ最近はママの気苦労は半端なかったから、たまに羽を広げるのも
いいんじゃないだろうか
それで無くとも普段はお仕事で忙しくてゆっくり休日を満喫するなんて
滅多に無かったことだから

フェイトママもそうなんだけどね

フェイトママが少しうな垂れながらバスルームから出て来た

「うう。これで虫歯とかになったら恨むよアリシア・・・」

フェイトママは自分の意識がアリシアだった事をあんまり深刻に考えていない
もしかしたら又、自分がアリシアになるんじゃなかって考えたりしないのだろうか?
それとももう、そんな事は無いと確信出来る何かがあるのだろうか?

アリシアについてはフェイトママが戻って来てから詳しく教えて貰った
プレシアさんの事も、そしてフェイトママの事も。全部


それはとてもとても悲しいお話だった


それを聞いて、フェイトママが出向前に話してくれた事を思い出した


『ねぇヴィヴィオ。人ってね、自分がとても幸せだとたまに不安になるんだよ。
色々と悲しい思いをしたり、苦しい思いをした人なら尚更なんだ。
ヴィヴィオも昔、大変な事件に巻き込まれちゃったよね』


フェイトママの方が、私よりよっぽど大変な過去を持っていた

だって、フェイトママが小さかった頃。誰も助けてくれる人がいなかった

私にはママやフェイトママや六課の人達がいてくれたのに

フェイトママは一人で戦った
それはどんなに孤独だったんだろう
それはどんなに寂しかったんだろう

そしてフェイトママだけじゃない。プレシアさんだってきっと苦しんでた

自分の家族が突然いなくなってしまったら?
今回、少しの間だけどフェイトママを失った

凄く凄く悲しかった。どうしていいのか分からなかったけど
でも生きてくれたからなんとか気持ちを保っていられた

フェイトママは昔の話をしながら本当にたまに、自分が生まれて来てよかったのかどうか
今でも悩む時があるんだよ。と言った

私がもしアリシアとして生まれていたら誰も不幸にならなかったかもしれないって
それに私は首を降ってフェイトママを抱き締めたんだ


「フェイトママ。生まれて来てくれてありがとう」


心を込めて、前に貰った言葉をフェイトママに返す


「フェイトママがいてくれるから、私もママも幸せなんだよ」
「ヴィヴィオ・・・」


いつも私達を守ってくれてありがとう
いつも私達の事考えてくれてありがとう
いつも私達の側にいてくれてありがとう

たくさんのありがとうを込めて


「フェイトママ愛してる」


これからもずっとずっと


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私はママ達をよそに一枚の写真立ての前に立つ

フェイトママが大事にしているアリシアとプレシアさんの写真

そしてアリシアの事を思う

アリシアが生きていたら、私達は出会うことがあったかな?
勿論そうなったらフェイトママはいないわけだからあくまで
空想上なんだけど

それでも考える

もしアリシアが生きていたら、私がアリシアの事お姉ちゃんって呼ぶんだね
なんだかおかしいね。アリシアは甘えん坊で、寂しがり屋で
そんな大人になってたのかな。まるでフェイトママと正反対だね

私の事可愛がってくれたかな?

ねぇ、アリシア

今はちゃんとプレシアさんと一緒にいるんだよね
アリシアの飼ってるリニスも一緒かな?

じゃあきっともう寂しくないね
泣いてないよね

誰にもね、言ってないんだけど
アリシアと一緒にいた時楽しかったんだよ
自分に妹が出来たみたいで、なんだか嬉しかった

でもごめんね。最後はちゃんと守ってやれなかった
きっとこれから強くなるから。ママ達みたいに、
たくさんの人を守れるように強くなるから

約束するよ


『ヴィヴィオお姉ちゃん!!』


うん。約束


「ヴィヴィオ」

いつの間にか後ろにママがいた

「ママ」

肩に手を置かれる

「ヴィヴィオ。今更だけど、今回は本当にごめんね。
ヴィヴィオにばっかり迷惑かけちゃったね」

私は首を振る。ママだって一杯苦しんでたのを知ってる

「私も、ごめんなさい勝手なことしちゃって」
「私もヴィヴィオもちょっとづつ間違えちゃったね。」

きっとそれは大切だから
フェイトママのこと大切過ぎて、失っちゃったらどうしようって
パニックになったんだ

「これから、フェイトママに何かあったらちゃんと話し合おうね。
今度は間違えたりしないようにしようね。」
「そうだねん。でも、フェイトちゃんのことだけじゃないよ。
ヴィヴィオの事でも私の事でもなんでも話し合おうよ。
私達は家族だから」


家族だから

私達は家族だから


「何?何?二人共なんの話?」

フェイトママが横からひょこりと現れた

「フェイトちゃんには内緒だよ」
「フェイトママには内緒」
「えぇえええ!?」

フェイトママのその顔が可笑しくて、ママと二人で顔を見合わせて笑った

「酷いよ二人共!このっ!」

フェイトママが私達二人に腕を回して抱え込む

「ちょっと、フェイトちゃん苦しいよぉ」
「フェイトママ!ギブギブ!」

大きな腕の中には私とママ

いつでも安心出来る場所


もう一度ちらりと写真立ての中のアリシアを見る


アリシアもとても幸せそうだ


よかった


皆、笑ってる


『ヴィヴィオお姉ちゃん。ありがとう』


うん


『さようなら』



さよなら。アリシア




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