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EDENⅡ-21-


EDENⅡ-21-





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EDENⅡ-21-

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どうしてだろう、まっくらだ。電気が消えちゃったのかな?
さっきまですごくうるさかったのに、今は何も聞こえない

でも

大好きなお姉ちゃんが泣いてた
たくさんの人が下に寝てた

お姉ちゃんのママ、とっても怒ってた
だからお姉ちゃんは恐くて泣いてたのかな?

駄目だよって言わなくちゃ
怒っちゃ駄目だよって

それにお姉ちゃん呼んでいた

フェイト『ママ』って

それって最初みんながわたしの事をそう呼んでた名前だよね
似てるのかな?わたしに

じゃあ、じゃあ

わたしが本当に


「お姉ちゃんのママだったら・・・」


ガシャン。と音がして、後ろが明るくなる



「アリシア」



聞こえた声

この声は


「母さん!!」


母さんは光の中にいた
わたしは母さんに抱きついた

「母さん!!」

優しく頭をなでてくれて、それが嬉しくて今までの寂しかった事を思い出して
涙がたくさん出て来た

「アリシア」

やっぱり母さんは来てくれた。わたしの事を見つけてくれた
わたしがこんな体でも分かってくれた

「母さん母さん母さん」
「アリシア。ごめんなさいね。一人にさせて」

わたしは首をふる

「大丈夫だよ。母さんちゃんと来てくれたから!あのね!それでね、
お姉ちゃんとお姉ちゃんのママを助けて欲しいの!!」

母さんはすごく強い魔道師だからきっと助けてくれる
そう思ったのに。母さんは悲しそうな顔をする

「母さん?」

母さんが座って、わたしをぎゅっとした

「アリシア。ごめんなさい。それは出来ないのよ」
「どうして!!お姉ちゃんずっとわたしに優しくしてくれたんだよ!!
母さんのこと一緒に探してくれたんだよ!!」

ガシャン

また後ろで音がした

だけど母さんにぎゅっとされてるからふりかえれない
そして足にさわさわと何かがさわっている

「リニス!!母さん、リニスも一緒だったんだね!」

母さんは片方の手でリニスを撫でた

「母さん?」


母さんは今にも泣きそうだった


「母さんどうしたの?!どこか痛いの?」
「アリシア・・・・本当に・・・ごめんなさい」

わたしはどうしたらいいか分からなくて
母さんの頬っぺをさわる

「私もリニスも、もういないのよ。そしてあなたも」
「え?『いない』って何?」

母さんはゆっくりと腕をあげて指をさす


「いるのはあの子だけ」


ふりかえると

「わたし?」

わたしが二人いる

そしてもう一人のわたしはくさりにつながれていた

「なんで?」

母さんは今度はわたしの肩を抱いた


「アリシア。あなたの妹よ」


妹?

「母さんわたしに妹なんていないよ?」

母さんは泣きながら笑った


「あなたがいなくなってから出来たの。とてもとても悲しかったから。
それはやってはいけない事だったのに。私は大変なあやまちをおかしたの」


やっぱり母さんの言ってることが分からなくて
ただわたしはわたしにそっくりな人を見た
見てるとなんだか体が変な感じがしてきた

「あれ?」

わたしは自分の手を見る

「わたし。小さい!母さん!わたし元にもどったよ!
母さんが元に戻してくれたんだ!」

母さんは優しくわたしを見ている

「アリシア。私の愛しのアリシア」

母さんが立ち上がる

「さぁ、帰りましょう」
「帰る?お家に?・・・・・でも」

わたしがお家に帰ったら

「お姉ちゃんは?お姉ちゃんはどうなるの?!やっぱり駄目だよ!
お姉ちゃんが泣いてるのに駄目だよ!」

母さんの服をいっぱい引っ張る

「母さんなら大丈夫だよ!きっと助けられるよ!お願い!」

だけどやっぱり母さんはうん。って言ってくれない

「どうして?!」

きっと、わたしがいなくなって母さんは怒っているんだ
だからわたしのお願いを聞いてくれないんだ

「お願いなんてもうしないから!ずっといい子でいるから!
母さんがお仕事で忙しくてもいい子で待ってるから!
もうどこにも行ったりしないから!!」

リニスも心配そうにニャーニャー鳴いている
きっと一緒になってお願いしてくれてる
きっと母さんは分かってくれる

それに

「わたしじゃお姉ちゃんのこと助けてあげられない。
わたしも母さんみたいに強かったらよかったのに・・・」

そしたらみんな助けてあげられたのに

「アリシア。あなたはあなたでいいのよ。優しい子ね」


母さんは一歩前に出てくさりにつながる大きなわたしに光る手を向けた

「アリシア。最後に聞くけど帰ったらもう二度とここに帰れなくなるの。
アリシアが望むのであれば、ここにいることも出来るのよ。
本当はそうなるはずだったの」

それを言った母さんはとても悲しそうだ
そんな顔をさせてるのはわたしなのかな?

それにもう、母さんと離れるなんて考えられないよ
だから

「わたしは母さんとずっと一緒にいる」

もう離れたりしない


母さんの光が大きな私を包み込む


「フェイト」


すぐにくさりが切れてばらばらと下に落ちていく


「フェイト。起きなさい」


大きなわたしの体がちょっとだけ動いた


「ん・・・・あ・・・」


わたしと同じ声


「さぁ、行きなさい。あなたの大事な人達が待ってる」


ゆっくりと開かれる目の色も、わたしと同じ


「か・・・・・さ、ん・・・・?」


母さんを見て、それからわたしを見た


「アリ・・・・・シ・・・・・ア・・・?」


大きなわたしはわたしの名前を知ってる
わたしは大きなわたしの前まで歩いていく

「フェイト」

みんなその名前をよんでいた
きっとみんなフェイトに帰って来てもらいたいんだ

お姉ちゃんもよんでいた。それにフェイトは


『フェイトママ!!』


「フェイトは、ヴィヴィオお姉ちゃんのもう一人の『ママ』なんでしょ?」

まだ、ぼんやりとしているけどフェイトは小さく首を動かした

「ヴィヴィオお姉ちゃんが助けてって呼んでるの!!
フェイト強いんでしょ?!お姉ちゃんとお姉ちゃんのママを助けて!!」

わたしが叫ぶと、フェイトの周りが金色に光だした


「ヴィヴィオ・・・・と、なの・・・・はが呼ん・・・でる?」


その光が段々強くなっていく

もう、目も開けてられない位

『・・・・・・・・・』

隣の母さんが何かを小さな声で言った
でも、小さすぎて聞こえなかった

フェイトは一瞬目を大きく開いて


そして目の前からいなくなった


また静かになった


だけど母さんは隣にいてわたしとちゃんと手を繋いでいる

母さんはもう辛そうじゃなかった

「母さん。もう離れたりしないよね。わたしと母さんとリニスはずっと一緒だよね」

母さんが笑ったから、わたしも笑った

「あ!お姉ちゃんにありがとうって言うの忘れてた!」
「大丈夫よ」

でも。と下を向いた

「あんなに優しくしてもらったのに、最後にさよなら言いたかったな・・・」

母さんはまた、大丈夫よ。と言う


「お姉ちゃんは分かってくれるわ。アリシアの気持ち。だって」


見上げた母さんはなんだか嬉しそうだった



「あの子の子供だもの」



そして


わたしと母さんとリニスも



光の中に





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