FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

EDENⅡ-20-


EDENⅡ-20-


-------------------------------------------------------------

EDENⅡ-20-

-------------------------------------------------------------

遠のく意識の向こうで、何か音がしたような気がした
それから自分にパラパラと粉のようなものが降り注いでいる

何が・・・起こった・・・?

途切れそうな意識の中、必死で目だけを開けると
目の前が灰色で何も見えなかった

部屋の中をもうもうとした煙か埃が充満している

本当に一体何が起こったのだろう

すると、誰かが私の首の下に手を廻した


「ヴィヴィオ」


優しい柔らかな声

そっと髪を撫でられる


「ヴィヴィオ、ごめんね。遅くなっちゃって」


それは白いBJに身を包んだ


「マ・・・マ・・・」


ママの顔を見た途端今まで気を張っていた糸が切れた
止めど無く涙が流れる

「ママ・・・ママ・・・・ママ・・・」

私と反対のもう片方の腕には包帯の女の子を抱えていた
上を見ると拘束を解かれたアリシアがベットの上から
私を見下ろしていた

「アリシア・・・よかった・・・」

部屋の横にはママが砲撃で空けたと思われる穴がぽっかりと空いていた

それを見て、ママの胸にしがみつく。その時になって初めて、

自分がどんなに非力なのかが分かった
自分がどんなに弱いのかが分かった

「ごめ・さ・・・い」

涙が浮かんで次々に流れていく

「ごめん・・・・なさ・・・・い」

私にはただ、謝るしかなかった
一歩間違えれば皆の命を私が踏みにじる所だった

自分は強いと、思い込んでいた
皆を救えると

「ヴィヴィオは悪くないよ。それよりも」

唇にそっと親指が触れた。鋭く走る痛みに目を瞑る

「これ、誰にやられたの?」
「誰かは分からないよ・・・」

そこまで言って違和感を感じた

なんだかとても静かだ。さっきまで大勢の人間がここでがやがやしていたのに
疑問に思って首だけで周囲を見渡す

「あ・・・・れ?」


囲まれていた


まるでさっきと同じように掌を私達にかざして

「ママ!!あれに当てられちゃ駄目だよ!!」

私は叫んだけど、ママは一向に動じる様子もなくて
優しい瞳はそのまま、にこりと笑う

「大丈夫。皆にはプロテクトかけてるから心配ないよ」

言われてみれば自分達はピンクの光に薄く包まれていた

「でもママが!!」

だけどその表情は一つも変わらない

「大丈夫」

その時どこからともなくバリンと何かが弾ける音が聞こえた

「ヴィヴィオ」

なんだか、いつものママと違う

「ママ?」


バリン

「なんだ!一体どうなってる!!」

バリン、バリン

「もっと石を持って来い!!」
「これ以上強い力の石はありません!!」
「そんな馬鹿は話しがあるか!!Sランク級の防御装置だぞ!!」
「駄目です!押さえ切れません!!」

焦りと恐怖の入り混じった声


ママはそっと私から手を離し立ち上がる

「ちょっとの間そこで待っててね。フェイトちゃんも。貴方も。
あぁ、ヴィヴィオ。ちょっと聞きたいんだけど」

その声にぞくりと背筋が冷たくなる

「ヴィヴィオをそんな風にしたのも。フェイトちゃんを縛りつけていたのも。
この子をこんな風にしたのも全部」

一瞬向けられた背中から


「全部この人達だよね」


紅蓮の炎が見えた


「ひっ」
「ば、化け者だ!!」
「新種の戦闘機人か?!」

白衣の人達の掌の中の石が次々と割れていく

動揺と混乱に陥っているその人達の頭上にママは人差し指を向けた


ドンッ


耳の鼓膜が震えるような大きな音と共に天井がガラガラと崩れていく

次いで入り口の天井に同じように光を放つ


ドンッ


入り口が完全に塞がれた


誰もここからは一歩も出さないというように


聞こえるのは悲鳴と怒号
中にはまだ石を向けている者もいる。けど


今のママにはあの石は玩具にしかすぎない、何の役にも立たない

初めて見た。ママが本気で


『キレ』てる


今度はその人達の中に指を向ける


「貴方達は私が裁く」


ドンッ


まるで人形がスローモーションで宙を舞っているのかのように見えた
だけど人形には無い重さを感じさせるように宙を舞った人達が
どさどさと音をたてて地面に落ちてくる

だけどママは手を緩めない


ドンッ、ドンッ


「ママぁ!!!!」

たまらずに叫んだ

「ママそれ以上やったら皆死んじゃうよ!!!」

ぴたりとママの動きが止まった

「ヴィヴィオ」

その声音はやっぱり優しくてほっとした

「ママ、後は管理局の人に」


ドンッ


「っつ!」


爆風を腕で塞ぐその隙間から、信じられない思いで真っ白な背中を眺めた

「ヴィヴィオ、少しの間だけ目を瞑っててくれる?すぐに終わるから」
「駄目だよ!!」


私は

私はママにそんなことして欲しくなんて無い

「ママ!お願い止めて!止めてママ!!」
「ヴィヴィオ。ヴィヴィオやフェイトちゃんをこんな目に合わせた人達を、
どうしても許せないの。もう少し遅かったらきっと」


ドンッ


「でもママ来てくれたもん!!だから大丈夫だよ!!」

今やもう目の前の人達は息も絶え絶えになっていた


「私ね、自分のことも許せないの」


さっきまでの悲鳴や怒号は今は呻き声一色になっていた


「これは私への罰も入ってるの」


一体何の罰だろう

だけど

ママは今とても苦しんでいる。とても悲しがっている

それだけは分かった


目の前に広がる光景は壮絶で

私は瞬きすら忘れる


光の渦を目の前に私は祈らずにはいられなかった


「誰か、ママを助けて」


苦しんでるママを救って
悲しそうなママを救って


「誰か、お願い・・・・・誰か!!」


浮かぶのはたった一人の顔



「フェイトママ!!!!」



----------------------------------------------------------------------


泣イ テル


オ姉チャン ガ 泣イテル


オ姉チャン ガ 誰カ ヲ 呼ン デル



ドクン、ドクン、ドクン



ドク・・・ン


ドク・・・・・



ド・・・・・・




スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。