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EDENⅡ-7-


EDENⅡ-7-



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EDENⅡ-7-

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「なのは。はやて」

はやてちゃんの腕の中から振り返る

「ユーノくん・・・!!」

途端、温められた筈の身体が凍りつく

ユーノくんと一緒にいるのは苦しそうに抱えられている


小さな姿のアルフさん


アルフさんの顔色は誰のそれよりも苦痛に歪んで震えていた
私ははやてちゃんから身体を離し急いで歩み寄る

「アルフさん、大丈夫ですか?!」

そう言うとアルフさんは弱々しく笑った

「フェイトと・・・あたしは・・一つ・・・・だからね」

そう。使い魔とその主は精神がリンクしているのが常だ。
だからフェイトちゃんが重体ならアルフさんだって同じ位危険な状態である筈

でもフェイトちゃんは、アルフさんを使い魔として見ているわけではない
友達とか姉妹とかそんな感じで接しているから、

「フェイトちゃん、いつもは精神リンクは切ってるはずじゃ」
「なのは」

私の言葉をユーノくんが遮り首を振る


まさか

全身から血の気が引く


「フェイト・・・凄く弱って・・る」


暗にそれはフェイトちゃんが大分危険な状態だということを指している
精神がコントロール出来ない領域まで内部が侵されている証拠

又、胸に痛みが広がっていく

はやてちゃんは目を伏せた

「あたし・・・はフェイトの・・・・使い魔だか・・・らこんな時は・・
側に・・・いるんだ・・側に・・・フェイトはきっと・・・目を開けるか・・・」
「アルフさん?」
「きっ・・・と・・・」
「アルフさん?!」

アルフさんは意識を失った

「アルフさん!!」

その身体を急いで揺すろうとして

「なのは!」

ユーノくんに止められる

「なのは。大丈夫だから。アルフは気を失っただけだから。
フェイトに何かあったわけじゃないよ。安心して」

私はガラスに張り付いてユーノくんの言葉を確認する

心拍数を表す機械はさっきまでと同じように
一定のリズムを刻んでいる

ほっと一つ息を吐く

それからユーノくんは優しくアルフさんの頭を撫でた

「ここに来るまでよく頑張ったねアルフ。フェイトはきっと大丈夫だから」


胸の辺りをぎゅっと掴む

苦しいのは、痛いのは

私だけじゃない

アルフさんだってこんなに苦しみながらもフェイトちゃんを信じている

戻ってくるって

だからフェイトちゃんは

戻ってくる


「なのは、もう少ししたらクロノ達が来るから。一緒にお医者さんから
フェイトの状態を聞くといいよ」
「クロノくん達と一緒に?」
「そう。だって君もフェイトの『家族』だろ?」


『家族』


フェイトちゃんには家族がいる


リンディさんやクロノくんやアルフさん
キャロやエリオ

そして


指輪に触れる


私と、ヴィヴィオ


はやてちゃんがさっき私に言ったように


信じないと


一番近くにいる私が、誰よりも信じないと

フェイトちゃんが私達を

たくさんの人達を置いていくわけがない


そうだよね。フェイトちゃん


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玄関を開けると、そこにはヴィヴィオがうずくまって座っていた

「ヴィヴィオ。ずっとそこにいたの?」

膝に顔を埋めたままコクリと頷く

私は腕を取り立ち上がらせる
その頬には涙の跡

「不安だったでしょ?一人にさせてごめんね」
「フェイト・・・・ママは?」

私はその涙の跡を指の背で拭いながら

「ヴィヴィオ。お話しよう」

リビングへと促し、ソファへと並んで座る
部屋は少し薄暗かったけど電気を付ける気にはならなかった

「今日病院でお医者さんの話聞いて来たよ。フェイトちゃんね」

隣でヴィヴィオが息を呑んだ

私は、おかしな程に冷静だった


「命には別状は無いって」


ヴィヴィオが息を吐く

「でも、身体の傷の方はなんとか治療出来るけど。空から落ちた時、頭を強く打って、
その所為で目を覚ますか分からないって」
「目を・・・覚まさない?」

私はヴィヴィオを横から強く抱きしめる


『ただいま。なのは。ヴィヴィオ』


「もし、奇跡的に目が覚めても。何かの後遺症は残るかもしれないって」


『なのは・・もう・・・離れたく・・・ない・・・よ』


「今まで通りの日常生活は望まないで欲しいって」


『何にでも誓えるよ。なのはとヴィヴィオ。二人の事』


「それは覚悟して下さいって」



『愛してる。心から、愛してるから。』



「ねぇ、ママ」
「ん?」

ヴィヴィオの声は思ったよりも凛としていた

「フェイトママの目が覚めなかったり、目を覚ましても今まで通りの生活が
出来ないんだったら、何か変わるの?」

ぐいっ、と私の身体を腕で押しのけヴィヴィオがまっすぐに私を見る


変わる?


言葉の意味が分からずに私は眉を寄せる

ヴィヴィオの色の違う両瞳が私を見据える

「私達、何か変わるの?家族じゃなくなるの?」
「家族じゃなくなる?」

ヴィヴィオがどうして突然そんな事を言い出したのかが分からない

けど

「そんな訳ないじゃない。どこからそんな発想が出てくるの?
フェイトちゃんはどんなになってもフェイトちゃんだよ。私達は変わらないよ」

そこから先はうまく言葉に出来なかった

「よかった」

とヴィヴィオが微笑む

「私だって変わらない。フェイトママがどんな風になっても私は変わらない。
例えなのはママが変わっても、私は変わらない」


さっきまで膝を抱えて泣いていたのが嘘だったかのように
その姿は挑戦的にも何かを決意しているようにも見えた


あぁそうか、ヴィヴィオも本当は恐いんだ
必死で不安を打ち消そうと戦ってるんだ


私はこんな時なのに笑いがこみ上げてきそうになる
そして涙が溢れ出しそうになる


まるでそっくりで


「ヴィヴィオ。随分と生意気な事言うんだね。私が変わるかもしれない?」

言いながら右手の拳を出す

「本当にそう思う?私これでも結構頑固者って言われるんだよ?
そうそう簡単には変わらない、ううん。変われないよ」

ヴィヴィオは私の顔をじっと探るように見てから首を振り、
同じように拳を出した

「私はずっと、二人の子供だからね」

こつりとお互いの拳を合わせる

「本当に『私達』にそっくりだよ。ヴィヴィオ」


そして私は左手の指輪に唇を寄せる


「待ってよう。フェイトちゃんはきっとここに帰って来るから」
「うん」


いつまででも待つよ

又、三人で笑い会える日まで


ずっとずっと


待ってるから
想っているから


例え、どんな未来が待っていようと


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