FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

EDENⅡ-5-



EDENⅡ-5-




-------------------------------------------------------------

EDENⅡ-5-

-------------------------------------------------------------

管理局の中でも日々危険が伴う部署と伴わ無い部署がある

私は今、教導官に所属しているので比較的危険の少ない仕事をしている
昔のように前線に出て調査したり、
未確認のロストロギアの回収をしたりする事も無くなった

ヴィヴィオを養子にしてからは自分の身体にも気をつけて、
あまり無茶をしないようになった

毎日きちんと帰宅が出来、たまに残業がある時以外はヴィヴィオと夕食を
共にし、穏やかに一日を終える事が出来ている

だけど執務官のフェイトちゃんは違う

もともとそんなに安全では無い仕事内容なのに
執務官としてのスキルは他の人よりも高く、
色々な世界に航行し何日も何ヶ月も家に帰って来ない

その上、Sクラスの魔導師で。優秀であるが故に


危険であればある程その危険な場所に必要とされる人材


つまりは執務官の中でもフェイトちゃんは超エリート

勿論危険に身を置いている事も含め、
関係者や身内の者は全てを受け入れなくてはいけない
その経歴や活躍を一番に喜び心から誇りに思わなくてはいけない

けど

その事実から、最も目を背けたいのは





『一人でも多くの人を救いたくて』

それがフェイトちゃんが執務官という仕事を選んだ理由


『人を救いたい』


そして言葉にはしないが、続く言葉はきっと


『例え、自分が犠牲になったとしても』


フェイトちゃんらしい選択
フェイトちゃんらしい心理

最も向いているであろう職業


左手に嵌められた指輪

私達が家族だという証として贈ってくれたもの

フェイトちゃんは私とヴィヴィオが自分の家族だと言ってくれた今でも、
きっと根本的にあるその精神は変わっていない

らしいと思う反面、私達の為に少しは無茶をするのは避けて欲しいと
願うようになってしまった

何かあった時には私達の顔が浮かんで、
一歩危険な事から引いてくれるんじゃないかって密かに思ってもいる

だって家族を失った時の寂しさをフェイトちゃんは誰よりも知ってるから

でもそれは私の我侭なのかな?
何があっても気を強く持ってなくちゃいけないのに
何かあったら恐い。嫌だと思うのは、
私が弱くなってしまったからなのかな?


凶悪な犯罪者と対峙している時
炎の中で指揮を取っている時
未知との物体に遭遇した時


空を飛んでいる時


私達二人を思い浮かべてくれたら

私とヴィヴィオが、いつでもフェイトちゃんの帰りを待っているからと、
心を温かくしてくれたら

少しは自分を大事にしてくれるかな?
少しは自分の存在の大きさを感じてくれるかな?


そんな事をフェイトちゃんが長期任務に就く度に考えていた


フェイトがどんなに私達の事を愛してくれているかなんて知らずに


浅はかだったのは私

フェイトちゃんの愛情を、測りしれていなかったのは





気づいたのは



深い絶望の淵で



--------------------------------------------------------------

それを聞いた時、受話器を持つ手が震えた

震えを抑えようともう一度両手でしっかりと握り
内容を一つでも逃すまいと必死で聞こうとした。だけどうまく思考に繋げられなくて

「無事、なんですか?」

たった一言、絞り出したその声も震えていた

次の、相手からの返答に血の気が引いていくのが分かった
ともすれば膝から崩れそうになる体を、壁に寄りかかり支えた


受話器を置き、目を瞑りしばらくそのままでいた


何ガ 起コッタ ノ?


「ママ?どうしたの?」

遠くからヴィヴィオの声が聞こえた。

立て直さないと。せめてヴィヴィオの前では立て直さないと

身体を壁から起こし視線を向ける

「フェイトちゃん・・・任務中に事故で・・・」



『一般人を守ろうとして、相手の攻撃を防ぐこと無く全て受けてしまい』


「ママ?!フェイトママは?!大丈夫なの?!」


『装甲の低いバリアジャケットだったので・・・・』


ソニックフォーム 


『一般人は小さな女の子とその母親です。どちらも無事でした。しかし』


ナンテ事 ヲ



「大丈夫」

ヴィヴィオにでは無く、自分に言い聞かせるように言う

「フェイトママ・・・今何処なの?」
「クラウディアから別の艦に移されてこっちの病院に向かってるって」


小さな子供とその母親


まさか


その人達に私達二人を重ねた?


私は口元を押さえる

フェイトちゃんならあり得る

そうじゃなかったら、いくらなんでもあのバリアジャケットで攻撃を身体に受けるなんて
例えフェイトちゃんでもそんな無謀な事はしない

それは明らかに自殺行為に近い


どうして?!


頭の中でパニックになっている部分がそう叫び
少しだけ残る冷静な部分がこう答える


私達をその人達に重ねたフェイトちゃんはきっと、
守ろうとしてくれたんだ



自分 ノ 家族 ヲ



「ママ・・・」

心配そうに袖を掴むヴィヴィオ
私はハッとし、口元から手を離し微笑み、その頭をそっと撫でる

「フェイトちゃんは強いから。ヴィヴィオもフェイトちゃんのことよく知ってるでしょ?」

自分で何を言っているのか分からないが、沈黙が怖くて必死で言葉を紡ぐ


『フェイトさんは今、』


「だから大丈夫だよ」


『意識不明の重体です』


こつりとその額に自分の額を重ねる
私の事を安心させる時のフェイトちゃんの仕草


『意識が回復する見込みは』


「ほらヴィヴィオ、もう遅いし今日はもう寝ようか」
「でも・・・」

私はヴィヴィオを安心させるようにもう一度笑う

「フェイトちゃんがこっちの病院に来たら様子を見に行ってみるから。
とりあえず今私達に出来る事は何も無いから」


『今の所』


私はその背中を押し、まだ何か言いたそうなヴィヴィオを部屋へと戻した

ドアが閉まるのを見届けてからゆっくりとソファへと沈み

両手で顔を覆う


フェイトちゃん
フェイトちゃん
フェイトちゃん



『意識が回復する見込みは、今の所ありません』



カミサマ





スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。