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EDENⅡ-4-



EDENⅡ-4-



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EDENⅡ-4-

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森の木々の間にひっそりと佇む古びた建物
周りはしんと静まり返っている

「この中からですね。微力ですが多数の魔力反応が確認されています」
「誰かに集められたのか、それとも自発的に集まっているか」

例え常用に魔法を使わない世界でも、魔法を使える人間はいる

地球の時のなのはやはやてがそうであったように

大体がそんなに大きな魔力を持ったものでは無いが
秘めた大きな力を持った人間もいるのでその調査も兼ねる

その力で、犯罪を犯そうと考えているものも少なからずいるからだ
否、逆にその事例の方が多いと言える

だから私達は色々な世界を定期的に調査する

「とりあえず集団でいるっていうのが気にかかりますね」

隣でデータ画面を見ながらティアナが呟く

「そうだね。こういう場合私達の話しを大人しく聞いてくれるケースは少ないからね」

他人に無い力を持っていることは時に、
自分がこの世界で特別な人間だと錯覚してしまう原因になる

まるで自分が神になったような、又は神の使いにでもなったように感じる

その考え違いを解くのが交渉人役の執務官の仕事
だがそれがうまくいかなかった場合は

こういう言い方は好きでは無いが


『力』を見せ付ける

圧倒的に


自分達が特別で無いという事を分からせると共に
監視下に置かれているという事を認識させる

私の、あまり好ましく無い仕事

「今回は円満に終わってくれるといいんですけどね」
「そうだね」

だけど私もティアナもあまりそれに期待してはいなかった
今までの仕事をして来た中での『勘』というものだろうか

そして、その勘が当たったと思うのにそう時間はかからなかった

爆音が森の中に響く
周りの管理局の職員達がざわめく

「やっぱり駄目だったみたいですね」

私は通信画面を開く

「大丈夫?!怪我は!」

画面に映る交渉人役の執務官

『シールドを張ったので大丈夫です。ですが話合いは決裂しました。
自分達はこの世界を革命するものだと言っています。
今、外に飛び出して行くと思いますので後は宜しくお願いします』
「分かりました」

画面を閉じたと同時に何人かが外に飛び出して来た
建物の前を囲んでいる私達を見た途端、その手の中から光が放たれる

思っていたよりも内にある魔力が高い
これでデバイスでも手にしたら、ランクが高い魔導師の分類に入るだろう

「ちょっと予想外だね。もしかしたらここにいる管理局の人達では
対処出来ないかもしれない」

何人かの魔導師と職員が応戦しているが、シールドでの防御が精一杯になっている


視線の先には私達に抵抗して所かまわず光の矢を放つ魔導師が数名

「フェイトさん。どうします?随分と無茶苦茶やってますけど」
「そうだね。でもこれ以上被害は拡大したく無いから一気に鎮圧しにいく。
援護の方を宜しく。周りにシールドも張っておいて」
「了解です」

バルデッシュを持ち直し足元に魔方陣を展開する

轟々と地響きの様な音が響き渡っている
何度となく同じ光景に足を踏み入れてきた

こんな時思う


この場所にいるのが自分で良かった


なのはじゃなくて良かった



左手を見る

そこに光るリング


「フェイトさん!!後方援護の準備は出来ました!!」


その言葉で一気に上空に舞い上がる


「バルディッシュ!!ロードスタート!!」
『Yes Sir,Rord Start』



「はぁぁぁぁあああああああああ!!!」


頭上には厚い雲が空を覆っていく


一瞬相手の攻撃が止み驚いたように空を見上げている



圧倒的ナ チカラ デ



雷が空を迸る



見セ シメヲ



こんな事をするのが、自分で良かった


金色の光が大地へと一気に降り注ぐ
勿論相手への直撃は避ける事にも意識を集中させる


なのはにはこんな事はして欲しくないと願うのは
なのはにとっては失礼な事だろうか


眼下では先程まで魔法を放っていた人間達の逃げ惑っている姿が見える


唇を噛む。とても嫌な気分だ

人を一人でも救いたくてこの仕事を選んだのに
魔法はその為に使いたいのに

それともこれも誰かを救う事になるのだろうか

こんな風に、脅すように力を見せびらかせるような行為が


こんな私の姿を見たら、ヴィヴィオは幻滅するだろうか
がっかりされて嫌われるだろうか


「あいつは悪魔だ!!」

眼下から叫び声が聞こえる

「神よ!!どうか悪魔からお救い下さい!!」


なのは、ヴィヴィオ。こんな私でごめんね


バルデッシュを掲げる

「プラズマ」

呪文を唱えようとしたその時、
視界の端に何かが映った気がした

放っていた雷を止める


そこには若い女の人が幼い女の子を抱え込むように座り込んでいる

「こんな所になんで?!」

周りの誰もその二人に気がついていない


急降下を始める


「悪魔が降りて来たぞ!!殺せ!!」


途端光の矢が自分の身体を掠めていく

「援護して!!」

後方に大声を張り上げた


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私には



家族がいます



大事な大事な家族がいます


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屈折した一つの光の矢が、その母親と幼い子供に向かう
その姿に、あの二人がダブって見える


私ガ


絶対ニ 助ケル カラ



『Sonic Foem』


「なのは!!ヴィヴィオ!!」



手を、伸ばした



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ガシャンと派手な音が台所に響いた

「っつ」

そして鈍い痛みが指先に走る

「ママ?何か割った?怪我した?」

心配そうに顔を出すヴィヴィオ

「あぁ、うん。大丈夫だよ。ちょっと指切っちゃったけど」
「今、バンソーコ持って来るね」
「ありがとう」

私は割れたカップの破片を気をつけながら拾う

「これ、フェイトちゃんのカップだ」

不注意で肘をひっかけて落としてしまった

「ごめんね。フェイトちゃん」

ポタリポタリと床に落ちる自分の血液に気がつき指先を口に含む
錆びた味が口の中に広がっていった

心の中でもう一度ごめんね。と、謝る

「新しいの買って来ないと」

その時電話が鳴った

私は電話の受話器を上げながら

それとも今度帰って来た時に一緒に買いに行こうか


そんな事を考えていた


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