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EDENⅡ-3-



EDENⅡ-3-



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EDENⅡ-3-

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フェイトママは明日から又何処か遠くの世界へ行くので荷造りをしている
私は部屋のドアに寄りかかりながらそれを見ていた

ママはまだ仕事から帰っていない

「どうしたのヴィヴィオ。お腹空いた?」

服を畳みながらフェイトママが立っている私に気づいた

「ホットケーキ作ってあげようか?」
「ううん。大丈夫」

フェイトママは手を止め私を見上げた

「そんな所に立ってないでこっちに来たら?」
「うん。ねぇフェイトママ。明日から何週間だっけ。遠い所に行くの」
「大体2週間位かな」

そっか。と言いながらその隣に座るとフェイトママが私の足をマジマジと見る

「ねぇヴィヴィオ。最近の子って皆そんなに足出して歩いてるの?
ちょっと短かすぎるんじゃないかな?」

真面目なフェイトママらしい意見に笑う

「皆こんなもんだよ」
「そうなんだ」

最近の若い子って大胆だね。なんて難しい顔でぶつぶつと言っている

「フェイトママそんな年寄り臭い事言わないでよ。まだ若いのに」
「だって」

私の二人のママはまだ十分若い
だからもし。といつも考えてしまう


もし私が居なかったら?
もし私を引き取っていなければ?


「ヴィヴィオ?」
「荷造り手伝うよ」

と、私は身を乗り出す

「ん。じゃあこの畳んだ服そのトランクに詰めてくれる?」
「了解」

その後暫く黙々と準備を手伝った
その間もさっきの事が頭から離れず

「ねぇ、フェイトママ」

切り出した

「もし、私の事引き取らなかったとしたら今頃どうしてた?」

さり気無く、なんでも無いように言ってみる

「ん?突然どうしたの?」
「ただ、なんとなく。私がいなかったら二人はどうなってたのかなぁと思って」

フェイトママは服を畳む手を止め、うーんと唸った

「どうなってたって言われても。うまく想像出来ないかな」
「じゃあさ、ママとフェイトママは一緒に暮らしてた?」

私が居なくてもきっと二人は一緒にいるだろうと、勝手に想像していた
けど

「なのはとは多分一緒にはいなかったんじゃないかな。私は海だしなのはは空だし。
仕事での接点は無いから、六課が解散した後は前みたいに別々に住んでいたと思うな」

予想外の言葉

私が居なかったら一緒に住んでなかった?

「どうして?凄い仲良いのに」
「どうして・・・って言われても。まぁ、離れていたとしても仲は良かったとは思うけど」

それじゃあ

「私がいなかったら、二人共別の未来があったんだね」
「急にどうしたのヴィヴィオ」

フェイトママは私の肩を抱き寄せた

「だって、私の面倒を見る為に二人の時間とかも一杯削っちゃったんだよね。
好きな事とかも出来なかったよね」

なんだか泣きたくなって来た

「ママ達、私がいなかったらもっと自由にいられたんじゃない?」

幼かった私はただ自分の好きな人と一緒にいたくて、
離れたくなくて。我侭ばかり言って困らせて

なのはママは体を張ってまで私を助けてくれて、
その上養子にまでしてくれて

フェイトママだって私達の事が心配で側にいてくれてる

二人は自分達を犠牲にして、私を育ててくれた

「もしかしたらこの間の事だって、私がいなきゃあんな事にはならなかったんじゃない?」

私は肩を抱かれていても、顔を上げる事が出来ないでいる

「ヴィヴィオ」

ぎゅっと引き寄せられた

「ヴィヴィオは今、幸せ?」

首を縦に振る



私は


幸せで幸せで幸せで


だから不安になる
この幸せが


ママ達の幸せを踏み潰して出来た幸せなんじゃないかって


「ねぇヴィヴィオ。人ってね、自分がとても幸せだとたまに不安になるんだよ。
色々と悲しい思いをしたり、苦しい思いをした人なら尚更なんだ。
ヴィヴィオも昔、大変な事件に巻き込まれちゃったよね」

嫌でも忘れられないあの時の事

聖王の器としてゆりかごの動力にされ、
聖王として覚醒してママと戦って傷つけた


私の酷い記憶


「前に話したよね。私の母さんや私が管理局に逮捕された話」
「でもそれは、フェイトママが悪いんじゃない」

それはフェイトママの酷い記憶

「今はそう思えるけど、あの時は全部自分が悪いんだって思った。
自分が弱いから母さんも助けられなかたっし、皆にも凄く迷惑をかけた。
こんな私が幸せになれるわけが無いって」
「フェイトママ、幸せじゃないの?」

フェイトママが幸せじゃなかったら、それはきっと私の所為だ

恐い

ぎゅっと目を瞑ると、
肩に置かれていた手がゆっくりと移動して、さらさらと頭を撫でられた


「幸せ過ぎて、恐いよ。この間の事だって、幸せ過ぎる自分に神様から天罰が下ったって思った位」

目を開けて、見上げたフェイトママはとても穏やかな顔をしていた

「ヴィヴィオも昔の私と同じ事考えてるんだね」

そう言うとくすくすと笑った

「私がいつもヴィヴィオに一番言いたい事、なんだか分かる」
「な・・・に?」


私はフェイトママの次の言葉を聞いて

たった一言で人は変ったり救われたりするんだと思った

それがフェイトママだったからなのかは分からない

だけど


「生まれて来てくれてありがとう」


心が震えた


「愛してるよ」


今までに自分に刺さっていた小さな小さな棘のようなものが
ポロポロと抜け落ちていく

「私を。ううん。私となのはを、幸せにしてくれてありがとう」

滲んで見えるフェイトママの顔
人差し指の背でそっと涙が拭われる

「ヴィヴィオが泣いていたら心配で、明日からの出張に行けないよ」

そう言われたから、私の顔が見えないようにその首にしがみ付く
そして気が付く


あぁそうか、あんな事があった後だから
明日からフェイトママが遠くに行くのが寂しかったんだ


「大丈夫だよ。私もなのはも側にいるから」

その腕の中は誰の腕の中よりも昔から安心出来た

「ほら、早く泣き止まないと、なのはが帰って来たら心配しちゃうよ」


私も二人の事

とてもとても

愛してる


「フェイトママもなのはママも大好き」


知ってるよ

と、耳元で静かに囁かれた


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『生まれて来てくれてありがとう』


あの時の言葉きっとずっと忘れないよ

いつもママ達は私を救ってくれる

その体温で、その言葉で、その行動で


だから私も同じように


救ってあげたかった

だって私と同じだって言ったから


どうしても救いたかった



真っ暗な光も届かない



闇の中から



私の言葉はいつかそこへ



届きますか?


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