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Prayer-9-


『けれども答えは聞こえなかった。』

自分が壊れていく音を、


確かに耳にした




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混乱する頭の中、


その力に抗うことが出来ず不恰好にも膝が折れ崩れ
ソファから引きずられ、抱き止められようにその腕の中に包まれる。


「静留・・・疲れたな・・・」


そう耳元へと囁かれる。
押し付けられた胸元からトクリトクリと心音が聞える。


「ごめんな。こんなになるまで何もしてやれなくて。
 こんなになるまで一人にさせて。だから今度は私が
 静留の願いを叶えてやるからな。」


独り言のように呟かれ、温かみから離される。


「もう一人じゃないからな。」


モウ 一人ジャ ナイ?


まっすぐに見つめられる。
でもその瞳の中は、いつもよりも随分透明に見えた。


「イコウ」


ゆっくりとその両腕が伸ばされ首に、かかる。

何を言われているのかも、
何をされようとしているのかも解らない。


「一緒に、逝こう」


ゆっくりと込められていく力。


「最後だから。」


ここは何処だろう。
自分は今、何をされているのだろう。
何が最後なのだろうか?


「名を呼んでくれないか?」


相手が、少し照れたように笑った気がする。


「あれから、静留は一度も私の名前をよんでいない。」


遠くへ、想いを馳せているような言葉。


ナ マ エ?


力が徐々に込められるたびに息をつく回数が増える。


「あぁすまない。こんな状態じゃ無理だよな。我侭を言ってしまった。」
 

そう言って相手は又、笑った。


ぎりぎりと締め付ける力が増していく。
もう、息を紡ぐ事も出来ない程の力。


「すぐ、後で逝くから待ってろ。」


後デ 逝ク?



「後で会ったら、私は多分おまえに、文句をたくさん言うぞ?
きっと怒鳴り散らすと思うぞ?」
  

もう半分闇に包まれた視界。
頭の奥の方で耳鳴りがする。


「でも、いつものようになだめすかして、
 笑って、名を呼んでくれたら。そうしてくれたら」


もたげられるその首。


「きっと」



目の前のこの子は誰やったけ・・・


もう、うまく・・・


「いつもみたいにきっと赦してしまうだろうな。」



思イダ・・・・



「ありがとう。大好きだぞ。」



セナ・・・



「静留。」



ゆっくりと目を閉じる








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